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むし歯治療でかぶせもの(冠)をするとき、奥歯の場合は金属の冠を入れるのが一般的。でも、白い冠もあるなど、その種類はいろいろです。それぞれの違いは――。
■永久歯の配列
前歯は1〜3番、奥歯は4番以降
大きなむし歯や歯髄(歯の神経)の治療をした歯は、歯をすっぽり覆う冠(クラウン)をかぶせることになります。奥歯は噛み合わせで強い力がかかるため、金属のクラウンが適します。一般的に用いられているのが保険適用の金銀パラジウム合金製のクラウンで、強度的にはこれで十分(ほかに銀合金やニッケル合金製のクラウンも保険適用)。白金加金のクラウンなどは自費になります。
 
ふだん見えない奥歯は金属で十分、という人がいる一方、最近は「口を開けたときに見えるから」と、奥歯にも白いクラウンを望む人もふえています。その場合は、メタルボンドクラウン(内側に金属を使ったセラミック製のもの)か、硬質レジン前装冠(内側は金属で表面はレジンのもの)から選ぶことになります(いずれも自費。第一小臼歯の特殊なケースに限り、保険適用のレジンクラウンが用いられることもある)。

「奥歯になにをかぶせるかは、見ためや費用もたしかに大切。しかし、それ以上に、材質にかかわらず、噛み合わせが正確で、削った歯とのさかいめがピッタリ合うよう、精度高くつくられたクラウンをかぶせることが、新たなむし歯を防ぐなど、自分の歯のためにはもっとも大切なことなのです」と細田先生は話しています。
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むし歯の再治療の際、下側の第一小臼歯(4番)に白い歯を希望した。

治療前
〈右側から〉
上4番は金属のインレー(つめもの)をしている。上5、6番、下4、5番は金銀パラジウム合金の冠。
   
〈正面から〉
下の第一小臼歯(4番)は金銀パラジウム合金の冠。
治療後
〈右側から〉
上4番、下4、5番はメタルボンド冠。(上6番は抜歯したため、ブリッジのダミーになった)
   
〈正面から〉
正面から見て、すべて白い歯になった。
1:金属の冠
金銀パラジウム合金冠〈保険〉…強度、精度はまずまず。大臼歯の場合で1本6〜7000円。見た目は銀色(左写真)。
金の冠〈自費〉…今は白金加金が主流。1本8〜10万円くらい。精度の高い冠の製作に適している。色は、金色と銀色の中間で、口腔内の色となじみやすい。
2:白い冠
メタルボンド冠〈自費〉…強度も透明感もある(左写真)。舌側の一部に金属が出るタイプや、金属の鋳造冠全体をセラミックで覆うタイプも。1本10万円前後〜15万円くらい。噛み合わせの強い人では欠けることもある。
硬質レジン前装冠〈自費〉…メタルボンド冠に比べ、耐久性が劣る。新しいうちはメタルボンド冠と見ためはあまり違わないが、徐々に摩耗、変色する。1本8万円前後〜10万円くらい。
セラミックだけでできたハイブリッドセラミック冠などもある(メタルボンド冠より透明感があるが、強度は劣る)。
主に自費の治療の場合だが、精度を高めるため、顕微鏡を用いて冠を製作する歯科医院もある。数十ミクロンの単位で、噛み合わせの正確な、歯とのさかいめが適合した冠がつくれる。
前歯(1〜3番)の場合、硬質レジン前装冠は保険適用。
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