Home
 
部分入れ歯(局部床義歯)は、ブリッジとともに、欠損歯(抜いた歯)を補うための方法の一つ。その構造やブリッジとの違いは―。

部分入れ歯は、抜歯後の粘膜に人工歯のついた床を乗せて支え、残った歯に「バネ(クラスプ)」をかけて安定させるもので、欠損が1本だけの場合から、歯が1本しか残っていない場合まで対応できます。バネをかける歯を「鉤歯」、または「維持歯」といいます。ブリッジが欠損の両隣の歯(支台歯)を多く削って被せるのに対し、部分入れ歯は鉤歯を少し削るだけですむのが利点ですが、ブリッジに比べて安定性が劣る、バネやバー(下写真)などによる違和感があり、食べ物がつまりやすいなどの欠点があります。そのため、一般に部分入れ歯が選択されるのは、ブリッジで対応できないケース(連続した欠損歯が多数ある場合など)や、ブリッジが可能でも患者が「歯を削りたくない」と要望したときです。

保険の部分入れ歯は、レジン床(またはスルフォン床)に、人工歯と金属のバネやバーをつける、というのが一般的。これに対し、自費の代表的な部分入れ歯「金属床義歯」は、床に金属を用いてバネと一体化させたもので、ピッタリ合いやすく、薄くつくれて違和感が少ない、熱伝導性がよい、などのメリットがあります。

細田先生は、「装着感、使用感など相違点が多々あるので、種類の選択も大切です。加えて重要なのは、入れ歯をきちんと支えるために鉤歯の形をきちんと整えることです。負担のかかる鉤歯を守るために、冠を被せ直したほうがいい場合もあります。精度の高い入れ歯を制作しても、土台となる部分がきちんと処置できていなければ、十分に機能しないからです」
と話しています。

Page Top
1本だけの部分入れ歯 前歯なのでバネが見える
欠損の隣の歯をきれいに
欠損の隣の歯は汚れやすく(とくに側面)、歯ブラシも届きにくい。市販の専用ブラシもあるので活用しよう。

入れ歯用のブラシは別に用意
自分の歯用の歯ブラシと兼用すると、すぐ毛先が広がる。義歯専用ブラシか古くなった歯ブラシを使おう。

入れ歯は研磨剤なしの洗剤で
入れ歯は研磨剤の入った歯磨き粉を使わずに洗う。洗剤を使う場合は、義歯用か、台所用洗剤やせっけんでも可。

外したらぬれた状態で保管
入れ歯のピンクの部分は多孔性で水分を多く含む。乾燥すると変形するのでそこらへんに置かない。

夜は洗って、義歯洗浄剤にポチャ
ブラシで洗い、夜間は義歯洗浄剤の中に保管。朝は水洗いしてから装着する。
欠損が3本連続しているとき
人工歯…主に硬質レジン

…歯科用プラスチック(レジン、スルフォン)

レスト
噛んだときに入れ歯が下がらないようにするもの。ここがピッタリはまるよう鉤歯を少し削る。
犬歯から奥歯まで5本連続欠損(上あご)
バー…安定性を高めるために、反対側に鉤歯を設けるときや、左右の部分入れ歯をつなぐときに用いられる。下あごでは舌をよけて歯の裏側に回す。
 
Page Top
Copyright(C) 2003 株式会社法研